【イベントレポート】Webアクセシビリティの学校 in 青森
2018年11月3日開催。植木真さんをお迎えして開催されたWebアクセシビリティの学校 in 青森のイベントレポートです。
2018年11月3日に青森市のグラビティコワークで開催されたWebアクセシビリティの学校に参加してきました。
このイベントは、講師にWebアクセシビリティ・コンサルタントの植木 真さんをお迎えして、Webアクセシビリティとは何か、キホンのキを学ぶイベントです。
基本的にはWeb制作に関わる人を対象としたイベントとなります。
会場では、前回Webアクセシビリティの学校が開催された大阪のお土産が配られました。
また、高知でデザイナーをしている間嶋さん(@mjmjsachi)が作成した、Web Accessibility For Designersのポスターが全員に配布されました。
こういったポスターがあると社内やチームへの啓蒙に使えていいですね。
参加しての感想
イベント自体は、今までWebアクセシビリティを意識したことがない人、「Webアクセシビリティって何?」という入門者むけのイベントだと感じました。
長時間のイベントにもかかわらず、植木さんの楽しいトークや自主制作の動画などもあり、飽きることなくお話をきくことができました。
スクリーンリーダーの読み上げスピードの早さに驚くとともに、これはマークアップが悪いと全然情報が伝わらないと感じ、自分のこれまでのマークアップを強く反省…
イベントの内容的には、入門者むけということもあり、インクルーシブHTMLの書籍を読んで理解できるひとであれば書籍でカバーできる範囲だと感じました。
Webアクセシビリティに興味がある人はインクルーシブHTMLの書籍はぜひ読んでいただきたい。
Webアクセシビリティに関心がある人も、ない人もWeb制作に関わる人は必読です。
マークアップをするコーダーやエンジニアはもちろん、UIを作るデザイナーも、Webディレクターも必ず読むべき書籍だと思っています。
インクルーシブHTML+CSS & JavaScript 多様なユーザーニーズに応えるフロントエンドデザインパターン
講師の植木 真さんへ質問した内容と回答
私は講師の植木さんへぜひ聞いてみたいことがありました。
それはチームや組織全体へのアクセシビリティの意識の浸透のさせかたについて。
結局のところ、アクセシビリティを意識したWebサイトを作ることへの最大の障壁は、周りの理解だと私は考えています。
いくらエンジニアがアクセシビリティを意識して、セマンティックでアクセシブルなマークアップをする知識や技術があっても、すでにデザインが出来上がっている状態ではやれることに限界があります。
いくらデザイナーがアクセシビリティを意識してデザインを作ったところで、エンジニアやコーダーに知識がなければアクセシブルなサイトは出来上がりません。
そもそも、ディレクターやその上の人の理解がなければ、そこに工数をかけることはできません。
それどころか、見た目を重視するあまり、アクセシブルではない方向へもっていこうとすることもあると思います。
個人ではなく、チームや組織として、アクセシビリティへの理解を深めることこそがサイトへの導入の最大の壁です。
この問題をどう解決していくべきか、最初の一歩として何をするべきかを植木さんへ質問しました。
植木さんの講座にチーム全員を連れていければ解決ですが、なかなかそうもいかないので…
上記について質問をしたところ、フォロアップメールにて、回答をいただきました。
個人ではなく、組織での取り組みにシフトしていくのは、みんなが苦労しているところですね。
例えば、最近アクセシビリティにとても積極的な企業の一つに、サイボウズがあります。サイボウズも、実は最初はある一人の若手社員による呼びかけによって、個人から組織としての取り組みに進化していった経緯があります。以下の記事あたりは、少し参考になるかもしれません。
「チーム」に参加するすべての人へ。サイボウズのWebアクセシビリティへの取り組み
https://seleck.cc/856
あとは、やはり障害当事者の方が実際に使っているところを見る機会をつくることでしょうか。今回は動画でご紹介しましたが、例えば地元の視覚障害者の方にご自身の会社で制作したウェブサイトを操作してもらって、どこまで使えるかを観察してみるのもいいと思います。
その場合は、今回のセミナー開催にご協力いただいた「あおもりIT活用サポートセンター(AOIT)」さんに相談されるとよいかもしれません。
あおもりIT活用サポートセンター(AOIT)
http://www.aoit.jp/
やはり地道に啓蒙活動をしていかなければならないということでしょう。
高齢者も多い地方・田舎だからこそ、アクセシビリティを意識してWebコンテンツをつくっていきたいですね。